ハード・バップのど真ん中を突き進んで来たソニー・ロリンズにもフリー・ジャズに傾倒していた時期があった。さらなる自由を求めて彼はコードからの開放としてピアノレスにこだわった。一般的なフリーではなく、自分だけのスタイルの構築を求めていたのだろう。将来ソロ・コンサートのアルバムを発表していることもそのあらわれだ。コルトレーン一色の1960年代半ばに、最後に挑んだのがこのコルトレーンのリズムセクション二人が参加したピアノレス・カルテットの一枚。フレディ・ハバードが参加した「イースト・ブロードウェイ・ラン・ダウン」は20分以上にも及ぶ大作だ。あくまでも伝統的な手法に基づきながらも、苦悩するロリンズの姿が見える貴重な作品だ。1.イースト・ブロードウェイ・ラン・ダウン 2.ブレッシング・イン・ディスガイズ 3.ウィ・キス・イン・ア・シャドウ
●ソニー・ロリンズ(s)フレディ・ハバード(tp)ジミー・ギャリソン(b)エルヴィン・ジョーンズ(ds) IMPULSE