オーケストラのために作曲し、1972年にロンドン交響楽団との共演で録音された本作は、評価の分かれる作品。オーネット自身はレギュラー・グループを録音に参加させたかったにもかかわらず、規約によって本人だけしか参加できなかったこと、LP収録時間の都合で作品全体の約3割がカットされてしまったこと、といった問題だけではなく、そもそも自由な表現という要素をオーケストラ・パートに与えず、オーネットのアンバランスとオーケストラのバランスとの関係にどんな意味があるのかというところだ。
●オーネット・コールマン(asロンドン・シンフォニー・オーケストラ
1972年録音 COLUMBIA