フレディ・ハバードの死後に発掘された隠れ名盤的な1枚。といってもドラムのルイ・ヘイズが極めて不評という極度の悪環境の中で、好対照にフレディ・ハバードのストレート・アヘッドのプレイが冴え渡る。不安定なバランスが逆に異常な緊張感をもたらし、ジャズ本来の不安定の中の安定といった不思議な世界が展開される。
●フレディ・ハバード（tp）エディ・ダニエルズ（ts）ローランド・ハナ（p）リチャード・デイヴィス（b）ルイ・ヘイズ（ds）
1969年12月録音／1974年リイシュー

高いレベルのイージー・リスニング・ジャズとしてあまりに有名なCTIだが、このアルバムはドン・セベスキーの雄大で心地よいアレンジに、イキのいいCTIオール・スターズのプレイヤーが応え、そしてなんといってもキース・ジャレットが参加が嬉しい。ハバードの歌心あふれる繊細でしかもパワフルなトランペットは当時の好調さが伺える。
●フレディ・ハバード（tp）ヒューバート・ロウズ（fl）ジョージ・ベンソン（g）キース・ジャレット（p）ロン・カーター（b）ビリー・コブハム（ds）アイアート・モレイラ、レイ・バレット（per）
1971年10月録音／1978年リイシュー

ストリングスからホーン・セクションまでが一つになり壮大なサウンドが展開するスケールの大きな作品。どんなシチュエーションでも完璧にこなしプレイするハバードに大物感が漂う。フレディ・ハバードの「バードランド」に納得。
●フレディ・ハバード（tp,flh）チャック・フィンドレー、ゲイリー・グラント（tp）ヴィンス・デローサ（frh）バド・シャンク、ル・パーキンス（sax,fl）ビル・ワトラス（tb）トム・ジョンソン（tuba）ドロシー・レムセン（harp）ビル・メイズ（key）ダン・ファーガソン（g）エイブ・ラボリエル（b）ビル・マックスウェル（ds）ジョー・ポーカロ（per）ほか
1981年6月13・14日録音／1982年リリース

世界的な子守唄やデンマークの童謡を素材として、同地の新進ベーシスト、マッズ・ヴィンディングとのデュオで吹き込んだユニークな微笑ましいアルバム。
●ケニー・ドリュー（p）マッズ・ヴィンディング（b）
1982年3月1・2・3日録音／1982年リリース

愛をテーマに「枯葉」「マイ・ロマンス」「ライク・サム・ワン・イン・ラブ」などスウィンギーにロマンチックに、最強のピアノ・トリオの醍醐味が充満した快作。
●ケニー・ドリュー（p）ニールス・ペデルセン（b）エド・シグペン（ds）ほか
1983年1月19・20日録音／1983年リリース

拳を回転させるユニークな奏法とミンガス・バンドでの活躍で注目を集めた気鋭のピアニスト、ドン・プーレンのライヴ・アルバム。自己のバンドを率いて、1977年7月スイス、“モントルー・ジャズ・フェスティバル”で繰り広げた圧倒的なステージの模様を収録。（メーカーインフォ）
●ドン・プーレン（p）ジェフ・バーリン（el-b）スティーヴ・ジョーダン（ds）ラファエル・クルーズ、サミー・フィゲロア（per）
1977年7月12日録音／1978年リリース

タイムレスが1980年代で最も売れた作品の一つと自負するジョージ・アダムス＆ドン・プーレン・カルテットによる「アース・ビームス」。キャメロン・ブラウンとダニー・リッチモンドというド迫力かつ濃い4人が織りなすパワー・ジャズ!（メーカーインフォ）
●ジョージ・アダムス（ts）ドン・プーレン（p）キャメロン・ブラウン（b）ダニー・リッチモンド（ds）
1980年8月3・4・5日録音／1984年リリース

洒落たアンサンブルとクールなサウンドで大人気を博したジョージ・シアリング・クインテットが50年代前後に残した名演を網羅した決定盤。彼らの代表作として知られるタイトル曲は当時日本でも大流行した。ピアノ、ギター、ヴァイヴによる清涼感漂うユニゾンと合間に入るシルキー・タッチのピアノ・ソロがロマンティックに溶け合う。(メーカーインフォより)
●ジョージ・シアリング（p）マージョリー・ハイアムズ（vib）チャック・ウェイン（g）ジョン・レヴィ（b）デンジル・ベスト（ds）ほか
1949年2月17日、6月28日、7月27日、12月12日、1950年4月3・4日、5月7日録音／リイシュー

1962年録音のジョージ・シアリングにとって珍しいトリオ作品。アーマド・ジャマル・トリオのバックを率いて、ピアニストとしての演奏を存分に繰り広げた快作。
●ジョージ・シアリング（p）イスラエル・クロスビー（b）ヴァーニル・フルニエ（ds）ほか
1962年6月20・21日録音／1985年リイシュー

APRIL IN PARIS/COUNT BASIE■「アトミック・ベイシー」「ベイシー・イン・ロンドン」と並んで、カウント・ベイシーが残した最も有名なアルバム「エイプリル・イン・パリ」。クインシー・ジョーンズによるシンプルなアレンジが、ベイシー独特の単純明快なスィングにベストマッチする。
●カウント・ベイシー（p,cond）ほか
1955年7月26・27日、1956年1月4・5日録音／1991年リイシュー

絶好調のカウント・ベイシー楽団が、欧州ツアー中に残した熱狂的なステージ。フランク・フォスター&ウェス、サド・ジョーンズらスターも勢揃い。厚みのあるバンド・サウンドが<ジャンピン・アット・ザ・ウッドサイド>などお得意のナンバーで徹底的にスイングしまくる。カッティングからプレスまで全てアナログの究極仕様。
●ルーナルド・ジョーンズ、サド・ジョーンズ、ジョー・ニューマン、ウェンデル・カレイ（tp）ベニー・パウエル、ヘンリー・コーカー、ビル・ヒューズ、マシュー・ジー（tb）マーシャル・ロイヤル（cl）ビル・グラハム（as）フランク・フォスター（ts）フランク・ウエス（as,fl）チャーリー・フォークス（bs）カウント・ベイシー（p）フレディ・グリーン（g）エディ・ジョーンズ（b）ソニー・ペイン（ds）
1956年9月7日録音／1989年リイシュー

ジェリー・マリガンの軽やかなサウンドとは対照的に、骨太のサウンドで人気のあった、バリトンサックス奏者のペッパー・アダムス。J.J.ジョンソンの影響を受けていないトロンボーン奏者として人気があり、長年チャールス・ミンガスと共演していたジミー・ネッパー。このペッパーとネッパーという響きの似た名前の二人が双頭リーダーによる1958年のアルバムは地味ながらも注目の作品となった。そして20年後に再登場したのが本作。前作はウィントン・ケリー、ダグ・ワトキンス、エルビン・ジョーンズというリズム・セクションに対して今回はドン・フリードマン、ジョージ・ムラーツ、ビリー・ハートという新しい世代によるトリオによるもの。この新型の再会セッションは貫禄を備えた新鮮さに満ちている。(jazzyellより抜粋)
●ペッパー・アダムス（bs）ジミー・ネッパー（tb）ドン・フリードマン（p）ジョージ・ムラーツ（b）ビリー・ハート（ds）
1978年7月26日録音／1978年リリース

GROOVE BLUES/GENE AMMONS AND HIS ALL STARS■シカゴ派のソウルフルなテナー奏者ジーン・アモンズ。コルトレーンやペッパー・アダムスなど5人のホーン奏者とリズム・セクションで迫力あるソウルを聴かせる。
●ジーン・アモンズ、ポール・クィンシェット（ts）ジョン・コルトレーン（as）ジェローム・リチャードソン（fl）ペッパー・アダムス（bs）マル・ウォルドロン（p）ジョージ・ジョイナー（b）アート・テイラー（ds,vo）
1958年1月3日録音／1977年リイシュー

ELLA IN BERLIN MACK THE KNIFE/ELLA FIZGERALD■数あるライブ録音のなかでもこの作品は群を抜いてライブの醍醐味を味わえるかもしれない。大きな舞台で自信を持ち自らのテンションを高める、そして聴衆もその空気に飲み込まれ、とてつもない大きなエネルギーが発生、乗リに乗ったステージは「マック・ザ・ナイフ」で頂点に達する。エラが残した最高傑作で歴史的な大名盤。
●エラ・フィッツジェラルド（vo）ポール・スミス（p）ジム・ホール（g）ウイルフレッド・ミドルブルックス（b）ガス・ジョンソン（ds）
1960年2月13日録音／1973年リイシュー

AT THE OPERA HOUSE/ELLA FIZGERALD■誰もが認めるジャズ界最大のヴォーカリスト、エラ・フィッツジェラルド傑作ぞろいのライブ・アルバムの中でも最高峰といわれるのがこの作品。オスカー・ピーターソン・トリオを中心に大物スターによる絶妙なサポート、熱狂的な観客の反応など聴き所充分。
●エラ・フィッツジェラルド（vo）オスカー・ピーターソン（p）ハーブ・エリス（g）レイ・ブラウン（b）ジョー・ジョーンズ（ds）ロイ・エルドリッジ（tp）スタン・ゲッツ、コールマン・ホーキンス、イリノイ・ジャケー、レスター・ヤング、フリップ・フィリップス（ts）ソニー・スティット（as,ts）J.J.ジョンソン（tb）コニー・ケイ（ds）
1957年9月29日、10月7日録音／1980年リイシュー

ELLA IN LONDON/ELLA FIZGERALD■気心の知れたフラナガンらをバックに1974年ロンドンの名門クラブ、ロニー・スコッツで繰り広げたエラの傑作ライヴ・パフォーマンス。（メーカーインフォ）
●エラ・フィッツジェラルド（vo）ジョー・パス（g）トミー・フラナガン（p）キーター・ベッツ（b）ボビー・ダーハム（ds）
1974年4月11日録音／1974年リリース

TENOR CONCLAVE/PRESTIGE ALL STARS●企画ものとして新鮮な組み合わせによるさまざまなセッションが当時は行われていた。これはプレスティッジならではの斬新な4テナーセッション。超大物のテナーマン4人が一同に会した贅沢この上ない企画はテナーづくしの一枚で、「根比べ」と呼ばれ親しまれてきた。おなじみのリズムセクションをバックにまさに「こんくらべ」が楽しい。
●ジョン・コルトレーン、ハンク・モブレイ、アル・コーン、ズート・シムズ（ts）レッド・ガーランド（p）ポール・チェンバース（b）アート・テイラー（ds）
1957年9月7日録音／1984年リイシュー

HOT HOUSE FLOWERS/WYNTON MARSALIS■近年最高のトランペッターとされるウィントン・マルサリスはクラシック・アルバムでも注目されていたが、チャーリー・パーカーやクリフォード・ブラウンも過去に残したウィズ・ストリングスの作品を発表。レギュラー・コンボに加え、ストリングスと小オーケストラとの共演でその実力を改めて証明している。
●ウィントン・マルサリス（tp）ブランフォード・マルサリス（ss,ts）ケニー・カークランド（p）ジェフ・ワッツ（ds）ロン・カーター（b）ケント・ジョーダン（alto-fl）
1984年5月30・31日録音／1984年リリース

ウィントン・マルサリスの最高傑作に数えられる名盤。当時弱冠23歳にして向かうところ敵なしだったマルサリスの天才的なプレイが存分に堪能できる。新伝承派の代表的ミュージシャンであるマルサリスの音楽はポスト・バップ、ネオ・トラディショナリズムなどとも言い表されるとおり、エレクトリックジャズ、フュージョン全盛の時代にあって、60年代のマイルスやハンコックらの影響を強く感じさせ、往年のアコースティックジャズへの回帰とその発展を志向していた。表題「ブラック・コーズ」は<奴隷取締法>と<和音>の二つの意味を掛けている。(新譜案内より)
●ウィントン・マルサリス（tp）ブランフォード・マルサリス（ss,ts）ケニー・カークランド（p）チャーネット・モフェット、ロン・カーター（b）ジェフ・ワッツ（ds）
1985年1月11・14日録音／1985年リリース

英国最高のハード・バッパーがニューヨークに行き、カークやコスタと共演。イギリス屈指のハード・バッパー、タビー・ヘイズ。力強いトーンと歌心あふれるフレージングで、世界的な名声を博したテナー・サックス奏者のひとりです。残念ながら若くして亡くなってしまいましたが、近年はクラブ・シーンでも人気を集めており、再評価の勢いが止む気配はありません。エディ・コスタも名演を聴かせます。(jazzyellより)
●タビー・ヘイズ（ts）クラーク・テリー（tp）ホレス・パーラン（p）エディ・コスタ（vib）ジョージ・デュビビエ（b）デイブ・ベイリー（ds）
1961年10月3・4日録音／1995年リイシュー